
日本には「八百万(やおよろず)の神々」という言葉があるように、本当に数多くの神様がいらっしゃいます。
それぞれの神様には多岐にわたるご利益がありますが、「得意分野」や「性格」もさまざまです。
自分が祈りを捧げる神様がどのような存在なのかを知ることで、「こんなにすごい神様に見守られているんだ!」という安心感や幸福感を得ることができます。
参拝やご祈祷において最も大切なのは、「神様の御力を信じる気持ち」です。そのためにも、神様を深く知ることは非常に意味のあることなのです。
三ノ輪相談所のコラムでは、皆様と神様のご縁を繋ぐため、定期的に日本の神様をご紹介しています。
第3弾の「スサノオノミコト」に続き、第4弾となる今回は、夜の闇を優しく照らす神秘の神「月読命(ツクヨミノミコト)」をご紹介します。
■ 月読命(ツクヨミノミコト)とは?

月読命は、日本の国生みを行ったイザナギノミコトが、黄泉の国の穢れを落とすため「禊(みそぎ)」を行った際に生まれた神様です。
イザナギの右目を洗った時に誕生したとされています。
古事記では「月読命」、日本書紀では「月夜見尊」や「月弓尊」とも表記されます。
神話において非常に重要な「三貴子(みはしらのうずのみこ)」と呼ばれる尊い三柱の神の一柱であり、それぞれが以下の世界を任されました。
- 天照大御神(アマテラスオオミカミ): 太陽の神。「光・昼・生命」を象徴。
- 須佐之男命(スサノオノミコト): 海原の神。「荒々しさ・破壊と再生」を象徴。
- 月読命(ツクヨミノミコト): 月の神。「夜・静けさ・規律」を象徴。
スサノオのような激しい性格とは対照的に、ツクヨミは寡黙で冷静。感情よりも理性や秩序を重んじる、奥ゆかしい神格であると考えられています。
■ 昼と夜が分かれた理由〜保食神(うけもちのかみ)との神話〜
ツクヨミは神話での登場シーンが非常に少ない、ミステリアスな神様ですが、日本書紀には一つ、有名なエピソードが残されています。
ある時、太陽の神アマテラスの命により、ツクヨミは食物の神である保食神(うけもちのかみ)のもとを訪ねました。
保食神はツクヨミをもてなすため、なんと自分の口や身体から様々な食べ物を吐き出して御馳走を並べたのです。
これを見たツクヨミは、「なんと汚らわしい(不浄な)ことをするのか!」と激怒し、保食神を斬り殺してしまいました。
(※この時、保食神の亡骸からは牛馬や蚕、稲などが生まれ、人々の糧となりました)
この一件を知ったアマテラスは、「あなたは悪しき神だ。もう二度と顔を見たくない」と激怒し、ツクヨミと完全に決別してしまいます。
実はこの神話こそが、「太陽(昼)と月(夜)が交わることなく、別々に空に現れるようになった理由」を伝えているとされています。
■ 月読命の強大なご利益
夜の世界を統治し、静かに秩序を保つツクヨミには、現代の私たちが抱える悩みに寄り添う、非常に実用的なご利益があります。

- 安眠・心の安定
月の静かなエネルギーは、昂ぶった感情や不安を鎮め、精神を落ち着かせる力があります。夜眠れない時や、心が乱れている時のお守りとなります。 - 時間・暦・リズムの調整
「月を読む」という名の通り、月の満ち欠けは暦(カレンダー)と深く関わります。生活リズムを整えたり、人生における「良いタイミング・好機」を掴むサポートをしてくれます。 - 浄化・直感力の向上
夜の闇は、不要なものを洗い流す浄化の時間です。本来の自分を取り戻し、霊性や直感力を高めるご利益があるとされています。 - 縁切り・距離を置く判断
不浄を嫌い、アマテラスと距離を置くことになった神話や、その理性的な神格から、「冷静な決断」を下し、「自分にとって不要な悪縁をスッパリと断つ」力も授けてくれます。
■ 月読命がお祀りされている神社
ツクヨミをお祀りしている代表的な神社には、以下のような場所があります。
- 月讀宮(つきよみのみや): 三重県・伊勢神宮(内宮)の別宮
- 月夜見宮(つきよみのみや): 三重県・伊勢神宮(外宮)の別宮
- 月読神社(つきよみじんじゃ): 京都府・松尾大社の摂社(長崎県の壱岐にある月読神社から勧請されたもの)
- 月山神社(がっさんじんじゃ): 山形県・出羽三山の一つである月山の山頂に鎮座(旧官幣大社)

アマテラスやスサノオに比べると、ツクヨミを主祭神としてお祀りしている神社は全国的に見てもそれほど多くありません。
神話でのエピソードが少ないことも理由の一つですが、実はもっと根本的な理由があると考えられます。
神道には、自然そのものを神として崇拝する「アニミズム」という考え方があります。
山の神は「山そのもの」をご神体として奉るように、私たちにとって月読命とは、夜空に浮かぶ「月」そのものだったのではないでしょうか。
わざわざ立派な宮を建てずとも、人々は夜空を見上げ、月の満ち欠けに祈りを捧げてきた。
だからこそ、神話で多くを語る必要も、社殿を乱立させる必要もなかったのかもしれません。

■ 最後に
もし、人間関係のトラブルで心が乱れてしまった時や、人生のタイミングを見失ってしまった時は、静かな夜に空を見上げてみてください。
そこには、数千年前から変わらずに私たちの夜を見守り続けている、冷静で美しい月読命の御力が輝いています。
その光を浴びながら深呼吸をするだけで、心はスッと鎮まり、進むべき道を示すインスピレーションが降りてくるはずです。
三ノ輪相談所でも、皆様の心が月の光のように穏やかに澄み渡るよう、日々ご祈祷や鑑定を行っております。
どんなお悩みも、一人で抱え込まずにお気軽にご相談くださいね。
次回の「願いを叶えてくれる神様」も、どうぞお楽しみに。







































