
島根県といえば「出雲大社」が有名ですが、実は出雲には「三大社」と呼ばれる特別な神社が存在することをご存知でしょうか?
その一社が、松江市鹿島町に鎮座する「佐太神社(さだじんじゃ)」です。
ここは、「出雲国二宮(にのみや)」としての高い格式を持ち、地元では「佐太さん」と親しまれ、「佐太大社」として崇敬されるほどの威厳ある神社です。
今回は、出雲大社にも引けを取らないこの神社の魅力と、御祭神が持つ「導き」の力、そして神々が集う「神在月」の秘密についてご紹介します。
目次
佐太神社とは?「出雲三大社」として崇敬されるパワースポット

佐太神社は、出雲大社、熊野大社と共に「出雲三大社」の一つに数えられます。
■ 出雲国二宮(にのみや)
旧国名である出雲国において、出雲大社(一宮)に次ぐ第二位の地位(二宮)にあたります。
正式名称は「佐太神社」ですが、その社殿の立派さと霊験の強さから、古くより「佐太大社」として崇められてきました。
三殿並立(さんでんへいりつ)という珍しい建築様式(大社造り)の本殿は、国の重要文化財にも指定されており、見る者を圧倒する迫力があります。
御祭神とご利益:人生を切り拓く「導きの神」

佐太神社の最も大きな特徴は、人生の岐路に立つ人々を力強くサポートする御祭神にあります。
主祭神:佐太大神(さだのおおかみ)
佐太神社の中央の御殿に鎮座するのは、佐太大神です。
この神様は、天孫降臨の際に道案内をした猿田彦大神(サルタヒコノミコト)と同一視されています。
【ご利益:導き・道開き・交通安全】
猿田彦大神は「導きの神」として有名です。
- 人生の道開き:迷いがある時、進むべき正しい道を示してくれます。
- 交通安全・海上安全:旅や移動の安全を守ります。
- 開運招福:滞っていた運気の流れをスムーズにし、良い方向へ導きます。
また、北殿には天照大神(アマテラスオオミカミ)、南殿には素戔嗚尊(スサノオノミコト)など、合計十二柱もの神々が祀られており、あらゆる願いを受け止める万能のパワースポットとなっています。

神々が最後に集う「神在の社」と「神在月」の秘密
旧暦の10月、全国の神々が出雲に集まる時期を、出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼びます。
一般的には出雲大社に集まると知られていますが、実は神々には「移動スケジュール」があり、佐太神社はその重要な「締めくくり」の場所なのです。
■ 神々のスケジュール
- まず、出雲大社へ集まり、人々の「縁」についての会議(神議り)を行います(旧暦10月11日~17日)。
- その後、神々は佐太神社へと移動し、再び集まります(旧暦10月20日~25日)。

なぜ佐太神社に集まるのか?
一説には、神々の母である伊邪那美命(イザナミノミコト)の法事(神去りし母を偲ぶ会)を行うために、子どもである八百万の神々がこの佐太神社に集まると言われています。
(※近くにイザナミノミコトの陵墓とされる比婆山があります)
この期間、佐太神社では「神在祭(お忌みさん)」が行われ、厳粛な空気の中で神々をお迎えし、お送りする儀式が執り行われます。
神々が去り際に大きな福を残してくれる、知る人ぞ知る最強の期間です。
パワースポット!摂社「田中神社」の秘密

佐太神社を参拝する際、絶対に外してはならないのが、境内から100メートルほど東に離れた場所にある摂社「田中神社(たなかじんじゃ)」です。
ここは、背中合わせに二つの社が建っているという、非常に珍しい造りをしています。
この二つの社こそが、究極の「縁切り」と「縁結び」のスポットなのです。
■ 東社(ひがししゃ):悪縁切り・縁切り
御祭神:磐長姫命(イワナガヒメノミコト)神話において、妹のコノハナサクヤヒメと共に嫁ぎましたが、「容姿が醜い」という理由で送り返されてしまった女神様です。
その悲しみや悔しさからか、「縁切り」「長寿(岩のように長く生きる)」のご利益があるとされています。
男女の悪縁、病気、悪い習慣、過去のトラウマなど、断ち切りたいものがある方は、まずこちらにお参りしましょう。

■ 西社(にししゃ):縁結び・安産
御祭神:木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)イワナガヒメの妹で、非常に美しく、夫神に愛された女神様です。
「縁結び」「安産」「夫婦円満」のご利益があります。東社で悪い縁を切った後に、こちらで新しい良縁を結ぶのが鉄則です。

【重要】両方お参りするのが安心の秘訣!
「縁結びだけしたいから西社だけでいいや」と思う方もいるかもしれません。しかし、良縁を結ぶためには、まず「空きスペース(心の整理)」が必要です。
また、姉妹の神様は背中合わせに鎮座されています。
片方だけにお参りするのではなく、東社で「不要な縁」を手放し、西社で「必要な縁」を結ぶという順序で、両方にお参りすることで、運気のバランスが整い、より確実にご利益を授かることができるでしょう。

ユネスコ無形文化遺産「佐陀神能」
佐太神社は文化的な側面でも非常に重要です。
ここで受け継がれている「佐陀神能(さだしんのう)」は、出雲神楽の源流とも言われ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
神話を題材にした荘厳な舞は、神様への奉納であり、見る人々の魂を清める鎮魂の儀式でもあります。

参拝のまとめ
出雲国二宮としての格式、人生を導く猿田彦大神の力、神々が最後に立ち寄る神在の社、そして田中神社での強力な縁の整理。
佐太神社は、人生の転機にこそ訪れたい、出雲の深い力が宿る聖地です。
出雲大社への参拝と合わせて、ぜひこの佐太神社(佐太大社)へ足を運び、神々のパワーを余すことなくいただいて帰りましょう。


































